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風舎やその周辺にいる人、広がる風景、出来事などをお伝えします。

NHKのニュースで、三重県の林業関連団体の熊野林星会が昨年発表した「セーザイゲーム」のニュースが放送されました。ゲームを通して木材の仕入れ・加工・販売を理解できるもののようです。


熊野林星会 >>>こちら

https://rinseikai.net/


NHKニュース >>>こちら

「御浜町の児童が「ボードゲーム」で林業の経営を学ぶ」

2023年1月16日

「プロ」の経済学者や評論家、その他ネット上では見かけない資料を作ってみました。国債の発行額をGDPの伸び額から差し引いたら、経済は成長しているのかどうか?

赤い線(右目盛り)が、「GDPの伸び額」-「新規国債発行額」をGDPの額で除した(割った)数字(%)です。黒い点線はGDPの伸び率。棒グラフは国債発行残高の累計(左目盛り)。

GDPを国債が一生懸命に押し上げている様子がよく分かります。その一報で、舞台裏では国債の残高が右肩上がりに積み上がっていくところが心配ですね。

温暖化のしくみについておさらいしみてみたら、不思議なことに気づきました。

これが、一番が根本的な要素となる関係式。

⊿T=λ・⊿F

⊿T:温度(増加量)、λ:平衡気温感度、⊿F:放射強制力

温度の増加は、放射強制力の増加に比例します。

⊿F=α・ln[ C/C0 ]

α:定数、ln[ ]:自然対数

C/C0:濃度の比率(C0は約280ppm、1850年以前のCO2濃度、Cは測定値)

放射強制力は、濃度の増加比の対数に関係づけられています。

⊿Fの増加分「1(W/㎡)」に対して、「何℃」気温が上昇するのか。その見極めが肝心かなめのところです。これを巡って科学者の方々が一家言を披露していて、誰が本当なのか、素人目にはよく分かりません。

ウィキペディアでは、「0.27℃」上昇

IPCCの1990年報告書は、「0.3℃」上昇

IPCCの2018年報告書は、「0.615℃」上昇

ヨハン・ロックストローム氏(「プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)」の提唱者、SDGsなどに大きな影響を与えている)は、「約1.0℃」上昇

となっています。およそ3倍の違いがあるように見えます。

IPCCの2018年報告書にある「+1.5℃シナリオ(RCP2.6)」は、放射強制力が「2.6」の場合のシナリオで、これよりも低い値で推移しないと2100年に1.5℃以上の気温上昇になるという計算です。


※後日、理解したこと(宿題の答12/月8日に追記)

IPCCの報告書が1990年から現在に至るまでの間に、エアゾルの影響評価など基本的な理解に変化があった。「0.3℃」が「0.615℃」になったのはそのため。ヨハン・ロックストローム氏の「約1.0℃」はIPCCのシナリオの想定範囲の上限の値とほぼ一致する。

IPCCのワーキング・グループ1のA4-2での、放射強制力の評価

「1(W/㎡)」に対して、2006年~2018年を前提とすると上昇温度の中心値は0.79℃。評価の仕方によって幅があり、0.52℃~1.06℃。

放射強制力2.6(W/㎡)で計算すると、1.35℃~2.76℃となります。

多くの人にとって良い方向に時代が少し動いたような気がしました。

2017年に東京で幸福の経済世界フォーラムのイベントに参加したころは

「幸せの経済」といえば、ヘレナ・ノバーグホッジさんの

映画「懐かしい未来」にみられるような、農村風景を思い浮かべる言葉でしたが、

今では、都市のライフスタイルをどうしようかという話題になっているようです。

ちなみに、2050年には世界の70%の人が都会に住むと言われています。都市住民を狙って、クリティカル・マス(社会変化を起こす分岐点となる人口数、割合)の変化に向けた取り組みが始まっているようです。


WAEll (Wellbeing Economy Alliance)のサイトでは、

Wellbeing Economy(幸福経済)を実現するために、

学際的な取り組、情報提供、ネットワークづくりのサポートを行っています。

GDPに変わる指標として国民総幸福(GNH)が有名ですが、すでに多くの国で幸福をどのように測ることができるか、様々な取り組みがなされています。

第二次世界大戦後に加速した、資本主義経済が、特に1970年以降に新自由主義的な政策によって、経済格差が拡大し、今のままの状態を続けていてもその傾向は弱まりそうになく、また、環境破壊もなかなか収まりそうにないと思われます。そうした流れを変えるために、WAEllは年限を10年間と決めて、経済や社会の仕組みを

変えようとする取り組みをしています。

日本語の情報はありませんが、昨今は翻訳ソフトが充実してきているので、そうしたものを利用しながら資料をご覧になってはいかがでしょうか

WEAll のHP >>>こちら

https://weall.org/about

WEAllの概要書(pdf) >>>こちら

https://wellbeingeconomy.org/wp-content/uploads/WEAll-brochure_2021Update_FINAL_Feb17.pdf

WWFジャパンが最近改定した提言書を興味深く拝見しました。タイトルは「脱炭素社会に向けた2050年ゼロシナリオ」です。結論は無理しなくても2050年には再生エネルギーだけで、日本のエネルギー需要をまかなえるというものです。


2015年あたりでのWWFの資料「地球一個分の暮らしの指標」では、二酸化炭素の排出量を深刻な問題にとらえていたので、この数年でちょっと風向きが変わってきたのかもしれません。

統計データもいろいろ載っているので、最新情報をチェックしたい方は是非ご覧になってください。



WWF JAPANのサイト >>>こちら

https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/1576.html

CO2ゼロの提案書(PDF) >>>こちら

https://www.wwf.or.jp/activities/data/20210909climate01.pdf

IPCCの2018年特別報告書では、世界全体の傾向が示されていて、二酸化炭素の排出量を劇的に減らす必要性が伝わってきます。WWFの提言書は、そこまで急激な減少にはなっていませんが、実現可能性を前提にシナリオが作られています。

風向きが変わった背景はよくわかりませんが、産業構造の転換を前向きに評価しているのだと思います。これまではGDPの増減と二酸化炭素の排出量はある程度相関関係がありましたが、近年の報告ではそれがなくなる兆候が見られるというようなことが書いてありました。

原発と石炭火力だけでなく、天然ガスの火力発電も2050年には必要ないというシナリオになっていますが、実現するかどうかは、政府の方針によるところも大きいのだと思います。来る衆議院議員選挙は、コロナ一色かもしれませんが、一考したいところです。

 リレートーク (村井 正士さん)

 こんにちは。監事の村井です。

 私は、幼少期に長野の飯田で育ち、街で働いてきました。そして、経営コンサルタントのお仕事を独立しさせて頂き12年経ちました。

 子供の頃は山で過ごした関係で、スキー、スケート、キャンプなどいろいろと自然の中で遊んできました。大人になっても、海釣りやマリンリゾートも訪れ、海遊びをしてきました。どうやら「自然界」から離れることが出来ないようです。

 最近では、年に一度は、沖縄県石垣島へ行って、シュノーケリングなどのマリンスポーツや魚釣りで、遊んでいます。石垣島周辺には、西表島、小浜島、竹富島など離島も幾つかあり、離島に渡たったりもしています。その中でも、小浜島は、特にお気に入りの場所です。人口700人程の小さな島で、近くには「幻の島」という、干潮時にしか現れない小島があり、大自然に癒されてきます。浜辺で読書をしたり昼寝をしたり、目の前のビーチで潜れば、クマノミや色とりどりの魚たちが出迎えてくれます。街の中とは違う時間の流れを、満喫してきます。

 ...こう書いてくると、「遊んでばっかり?」のようですが、

  「遊ばざるもの、働くべからず」     

だと私は思っています。

良い遊びが出来ない者に、良い仕事は出来ない

一生懸命遊ばない者に、一生懸命仕事は出来ない

楽しく遊べない者に、楽しく仕事は出来ない

全てが万事だと思います。遊びも仕事も境がなくなります。

ですから、これからもまだまだいっぱい遊びます(笑)

どうぞお付き合い下さいませ。

風舎の事務局があるエトセ工房には、垣根のようにしてブルーベリーの木が植えてあります。沢山のブルーベリーが採れたので、ブルーベリーのジャムを作ってみました。

インターネットでレシピを探し、一番簡単そうなものを選んで見たところ、必要な材料は「ブルーベリーの果実と砂糖、レモン汁」だけ。これならで手元にあるので早速挑戦してみました。

料理のレシピは、ケーキなどでは砂糖がとても多く使われているような印象を受けます。ブルーベリージャムの場合は、果実の重量に対して40%が目安と書いてありました。今回は果実が800gあったので、320gの砂糖に相当します。これでは多分、自分の好みの甘さよりも多そうだと思って、250gを計量しました。視覚的にこれでも多そうだと思って、実際は150gで作ってみました。

レシピでは10分ほど煮込んで、とろみが出てきたら出来上がりと書いてあったのですが、10分ではまだジュースのような感じ。とろみが出るには30分くらいかかりました。味見をしたところ、それほど甘過ぎずにできたような気がしました。

予定よりも20分間超過して煮詰めている間ちょっと考えたことは、ジャムのとろみのもとは砂糖だということです。煮詰める作業は、水分を蒸発させることです。果実に含まれる水分と砂糖の割合で、水分が多くなればその分煮詰める時間が長くなります。

とろみを仕上げの基準にすると、使う砂糖の量に関係なく、砂糖の濃度の適否で仕上げを判断することになります。つまり、最初に投入する砂糖の量を減らしたからといって、甘みが弱くなるわけではないということです。ですから、ジャムの場合は砂糖の量をあまり木にする必要はないのかもしれません。

では、私が作ったジャムとレシピのジャムの違いは何かと考えると、仕上がったジャムに含まれる果実の成分の量が多くなるということです。濃厚な味わいのジャムが出来上がったということになります。

出来上がったジャムは、ジャムの小瓶で4本(800g弱)です。瓶詰めの本に書いてあった脱気の仕方を参考に脱気をしてみたので、1本は常温で2ヶ月くらい保存してみようかと思います。


オーバーシュートディについて検索したところ、分かりやすい解説をしているサイトを見つけました。そこでは次のように解説しています。

「アース・オーバーシュート・デーは、人類が消費している自然資源の量が、1年間に地球が再生できる自然資源の量を上回る日を示します。そのため、毎年アース・オーバーシュート・デーは変わりますが、2021年のアース・オーバーシュート・デーは7月29日と発表されました。」(>>>こちら https://www.amita-oshiete.jp/qa/entry/015856.php#01)

つまり、今年は1年間に再生できる資源量を使い果たして1ヶ月が経過していることになります。


元データを作成してるサイトから転用して、このようなグラフも掲載されていて、世界全体で1970年以降は、持続不可能な生活が続いているという実態がわかります。ここ数年は、再生可能な物資の1.7倍の物資を消費しています。

他の資料を見ていくと、アメリカの場合は4倍くらいだということが分かります。個人的にちょっと気になるのが北欧の国々です。フィンランドやノルウェー、デンマークなど幸福度ランキングで毎年のように上位3カ国を競っている国々です。これらの国々は3~4倍になっています。ちなみに日本は2~3倍程度でドイツとほぼ同じです。

世界平均の1.7倍という値を基準にして考えると、消費する物資を現在の半分程度にしたら、計算上ようやく1.0倍くらいになります。ちなみに、1.0倍にもっとも近い状態で、教育や医療体制のレベルが日本と同じくらいになる国はキューバです。

持続可能な社会のゴールイメージは単純明快、「現在消費している物資を半分以下にした生活」です。コロナ禍で消費は低迷していると報道されますが、それでもまだ消費量が多すぎです。少なくとも2050年までは世界の人口は増加します。ひょっとすると100億人を超えるかもしれません。

昔イギリスで石炭の使用効率を研究したところ、石炭の使用効率を高める技術が開発されると、その技術を利用したいと望む人が増え、結果として石炭の消費量全体は増加するという結果が出たそうです。(ジェボンズのパラドックス)

夢の技術が開発されるに越したことはありませんが、その前に、自分でできることを少し取り組んでみるのも大切かもしれませんね。

【参考】

オーバーシュートディが分かりやすくまとまっている日本語サイト >>>こちら

https://www.amita-oshiete.jp/qa/entry/015856.php#01

エコロジカルフットプリントに関するサイト >>>こちら

https://data.footprintnetwork.org/#/countryTrends?cn=5001&type=BCtot,EFCtot

ジェボンズのパラドックス >>>こちら

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

「エネルギー問題の解決は喫緊の課題である。」という意見に、私は同意する。随分前から気にしているが、改めて考えさせられたきっかけは、先週「あいち自動車ゼロエミッション化加速プラン」(以下「加速プラン」)という資料をインターネットで偶然みつけたことだった。昨年(2020年)、政府が「2050年までにCO2排出量ゼロ」を目標として正式に発表した。これをうけて、愛知県が2021年3月に発表したプランだ。

 よくあることだが、物事を考える過程で話が複雑になるほど、もっともらしい説得力を感じる。その一方で、複雑な身振りに振り回されて、全体像やその根本原因を忘れてしまうことがある。エネルギー問題は、気をつけたほうが良いものの1つだと思う。

 私の頭の中では、車に関してCO2排出量ゼロというのは、走っているすべての車が電気で走るという状態だということにしている。走っている車がすべて電動自動車であれば、走行中にCO2を排出するしくみがないのだから、CO2を発生させることができない。

蛇足かもしれないが、1台も車を使わなくなればCO2排出量はゼロだ。しかし、「加速プラン」によると、今後世界での自動車販売台数は2050年までに1.5倍になる。つまり、車を使わないようにしてCO2ゼロにするというシナリオは、愛知県にはない。

そこでまず考えたくなるのは、現在日本国内で走っている約6,000万台の自動車をすべて電気で動かそうとしたらどれくらいの電気が必要なのかということである。「加速プラン」は100ページ余りなので、そこから探し出すのは難しいと思って、愛知県庁に電話しみた。担当部署の説明では、考え方は同じだが、数値を算出していないとのことだった。

全部の自動車を電動化するのは非現実的かもしれないが、計画段階での理想像として数値化したほうが私には分かりやすい。しかし、愛知県はそれを提示しないという方針で「加速プラン」を作っていることが分かった。

 その翌日、図書館で偶然手にした高野雅夫氏の著書「人は100Wで生きられる」(2011年)という本に気になる数字のヒントがあった。

 本の中では三菱自動車のiミーブを電気自動車のサンプルとして、国内で使われる6,000万台の1%にあたる60万台で試算している。60万台で1ギガワット、原子力発電所1基分の電力が必要としている。明確に書かれてはいないが、おそらく年間の必要電力だと思う。仮にそのように理解した場合、原発100基分の電力が「新たに」必要になる。現在運転を停止している現存する原発をすべて動かしても足りない。「加速プラン」を参考にすると愛知県だけでも6基の原発が必要になる。

 本は気になるところをつまみ読みしただけだが、水素エンジンについても興味深い内容があった。「①水素を作って(車に搭載して)」「②電気を発生させて車を動かす」という2段階でエネルギーの流れが説明されている。①で100wのエネルギーを投入して②で使えるエネルギーは20wとなっている。つまり20wを作るのに100wを使うという仕組みだ。

 ところで、石油のエネルギー効率について参考までに考えてみる。私の記憶はかなり大まかだが、石油生産効率のピークは1940年頃で、石油100リットルを生成するのに石油1リット必要だった。現在は1リットルの石油で30リットル程度。効率が100から30に鈍化したのは大きな油田の埋蔵量が残り少なくなり、中小規模の油田に移行したためだ。一頃注目されたシェールオイルは更に効率が悪い。

 水素エネルギーは、逆ざやになっているのだから効率度返しということになる。

 しかし、今日(8/30)の中日新聞の記事では、水素は次世代エネルギーとして期待されている。海外で水素を作れば経済的に採算が取れるかもしれないということだ。気をつけなければいけないのは、事の本質はエネルギーの問題だということだ。水素の生成方法の違いによってどれほどの効率化が図られるのかは分からない。記事によると水素から電力を取り出すときのエネルギーロスは35~40%となっている。①~②の過程全体でのロスであれば、この10年で飛躍的な改善といえる。とはいえ逆ざや状態であることには違いがない。

2050年までにCO2排出量はゼロにする議論について、結論はそれほど難しいことではない。現在ある需要を満たすためには原発を動かすしかないということだ。需要の規模が大き過ぎて、火力発電以外では原発しか方法がない。もしも、原発を動かしたくなければ、需要を大幅に削減することが必須だろう。

ところで、高野氏は名古屋大学の准教授(2011年時点)で、愛知県内が研究フィールドの一つになっている。旧足助町では、100年前につくられた水力発電設備(設立時は町有)で、現在も1世帯あたり2.7kwの電力を供給できるとしている。本の趣旨はタイトル通りだ。1時間100Wの電力、1日2.4kwあれば暮らせるということだ。一月30日とすれば月に72kwということになる。私は月に80kwh前後の消費量なので、とてもハードルが高いという話ではないと思う。

話をまとめると、やりようによっては100年前の小規模な水力発電で、基本的な生活は可能だ。それに加えて、今のままの車社会を維持してCO2排出量ゼロにしようとすれば、2050年までに、愛知県内だけでも、原発6基分(6ギガワット相当)の電力設備を新設しなければならない。

全体よくみたら、意外に話は簡単だと気付く。何が現実的なのか。改めて考えるよい機会だと思った。

【参考】

「あいち自動車ゼロエミッション化加速プラン」 >>>こちら

https://www.pref.aichi.jp/soshiki/ondanka/evphvfcv.html

高野雅夫 「人は100Wで生きられる」(2011年大和書房)